2010年10月31日

1歳2カ月の月誕生日

毎月31日はくららの月誕生日です。今日10月31日でくららは1歳2カ月になりました。


去年の10月31日は、フォンタン手術を目指して希望に満ちた生活をしていたことを懐かしく思い出します。

この頃、くららの匂いや抱っこの感覚が思い出せないことが増えてきました。匂いがとっておけたらいいのに、といつも思っていたし、絶対忘れないと思っていたのに。

くららの物が詰まった箱を開けて、くららの衣類をだしてみても、それはくららが身につけたいたときとは少し違った感触や匂いで、この先どんどん感触や匂いといった記憶が薄れていくのかと思うと、どうしようもなくさびしい気持ちになりました。

でもわずかにですが、鼻先をくららのつむじにあてて、幸せだなぁと感じた感覚・匂いがまだ私の中に残っています。

触れた感覚やにおい、五感に訴える記憶は本当に大切なものだと思います。

これからも大切な人たちに対して、日々後悔の無いように、出来るだけ直接会う機会を作っていこうと思います。


お天気や寒さのせいもあるのか、くららは今もいつでも一緒にいるんだ、だから寂しくない!という想いより、会いたくてつらくなったり沈む気持ちが勝ってしまう日もあります。




明日から11月。

11月はキリスト教では死者の月=亡くなった人を想い出し、祈る月なんだそうです。


初夏のころから、毎週末1時間30分だけですが、洗礼のための勉強で、葬儀のミサをして下さった教会に通っています。

我が家ではくららだけがクリスチャンになりましたが、やはり私は常にくららと共にありたい、という思いがあって洗礼を受けようと思い、その準備のために勉強に通うことにしました。


主人は長男だし実家との兼ね合いもあるでしょうから主人の意思に任せています。

アトムもそう。私がずっと特に宗教をもたずに来たように、アトムにもいつか自分で何か決めたいと思ったらそうすればいいし、特に何も必要なければ、そのままで、いずれにせよ自分の意思で決めてほしいと思っています。

11月7日、くららの葬儀ミサでお世話になった教会では、死者への祈りのミサがあるそうです。
くららや、くららのお友達へのお祈りしてこようと思います。

2010年10月28日

9回目の月命日

今日はくららの9回目の月命日でした。

昨日よりもさらに気温が低い上に夜になるにつれ風と雨がひどくて、アトムを迎えて保育園から帰宅したら二人とも洋服も靴下もカバンもずぶ濡れでした。

そんな中でも、保育園から自宅までの歩いて30分の距離、アトムが一人で初めて傘をずっとさし続けられたことに、成長を感じたりしました。(今までは途中で重くなってさせなくなり、私が上から傘を支えたり、カッパだけにしたりしていました)



毎月、ちょっと小ぶりな果物のゼリーをくららにあげていました。
色々なお店で探すのが、仕事帰りの楽しみの一つでした。が、ゼリーの季節もそろそろおしまいなようで、先週からあちこち探してみたものの、どこにもおいていません。

なので冬場はフィナンシェやパウンドケーキのような柔らかめの焼き菓子にすることにしました。

今月は日影茶屋のショコラ・カロです。
これなら1歳2カ月のくららも食べられそうです。


くららにあげているゼリーや果物を、もうそろそろくららちゃん食べたかな?とアトムがいつも狙っています。そのたびに私は「くららは赤ちゃんだからゆっくり食べるんだよ、だからまだだよ。」と答えます。

数日そういったやり取りをして、私が「くららちゃんたくさん食べたからお腹いっぱいだって。後はアトムにあげるって言ってるよ」と伝えると、「くららちゃん 有難う。アトムずっとずっと待ってたんだよ!」と
嬉しそうにくららのところから貰っていきます。



夜はアトム、初めてのお箸に挑戦。エジソンのお箸を使ってみました。
数粒の白米をつまむたびに、くららの写真に向かって「くららちゃん、ほら、アトム君出来たよすごいでしょ」
とちょっと自慢げに話します。

うっかり私の地声で「良かったね」と答えたら「くららちゃんに言ってるんだよ、ママに言ってるんじゃないよ!」と怒られてしまい、改めて高温で「すごいね、アトム君さすがくららのお兄ちゃんだね!」とくららの真似をして応えました。


この頃、アトムは、くららがもう病院から戻ってこないであろうことや、天国や神様のところにいるということは、とても遠いところでこちらからは会いに行けないであろうことをなんとなく理解しつつあるように思います。
そのうえで、毎日なにかあるごとにくららに話しかけて、くららの存在を感じていること、それはアトムにとっていいことなのか悪いことなのかわからないのですが、でも、自然なこととして、そのまま自然に過ごしていきたいと思っています。

聡太郎お兄ちゃん

くららの在宅ケアの時から、ずっとずっと私たち家族を支えて下さり見守って下さったそうちゃんとそうちゃんママのなみさん。

昨日10月27日そうちゃんはお兄ちゃんになりました。

夕方から帝王切開と伺っていたので仕事も手につかずドキドキワクワクしていました。

そして、ブログにそうちゃんの弟君の写真があるのを見て、じわーっとあったかい涙が出てきました。

新しい命、それだけで感動です。

そしてまた、なみさんのコメントにも感動です。

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聡太郎の弟の誕生です。

聡太郎もこの子も、私たち夫婦の愛する子どもとして誕生してくれました。

心から幸せです。

聡太郎がいたら…というネガティブな気持ちではなく、聡太郎が教えてくれた更なる幸せですので、本当に素敵な出産になりましたm(_ _)m

皆様、本当にありがとうございます。
皆様への感謝の気持ちでもいっぱいです。

そして、主人にも心からの感謝を。
主人の存在そのものと、私を常に認め支えてくれる寛容な心に。

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そうちゃんがいたら、ではなくて、そうちゃんが教えてくれた更なる幸せ。

本当におめでとうございます!!

そうちゃん日記

中込空くんと竹内義貴くん

今朝の朝刊に空君の記事が。

Web版にも載っていました。



空君 5年も移植待機リストで待ち続けていたそうです。一日も早く渡航出来ますように。

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心臓移植渡航で募金呼びかけ 19歳男性の両親ら

2010/10/28 1:39


 重い心臓病の治療のため米コロンビア大病院で心臓移植を希望する中込空さん(19)の両親らが27日、厚生労働省で記者会見し、募金を呼びかけた。

 改正臓器移植法の7月施行で国内で移植を受ける可能性は高まったが、同省は今月、心臓移植の場合は提供者が18歳未満ならば治療成績などを考慮して18歳未満の待機患者への移植を最優先するよう通知した。中込さんは約5年前から待機登録していたが、最優先の条件となる補助人工心臓の装着が19歳の時点だったため対象外となる。

 主治医は「待機順位で考えると、国内で移植を受けられる可能性は低い」と説明している。

 渡航移植に計1億6千万円必要で、現在の募金額は約6400万円。募金の振込先は「救う会まで。

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よしき君 10月22日に募金目標達成となったそうです!

よしき君を救う会

病状から予断は許されません。一日も早く渡米に向けて準備が整い、治療を受けられますように。

2010年10月27日

医龍3-第2話-

1週遅れで録画していた医龍3-第2話-を観ました。

共感したり素直に感嘆する部分と、やはりドラマだから仕方ないか、、とちょっと冷めた思いで観てしまう部分があります。

例えば冒頭に出てきた阿部サダヲさんの「左冠動脈主幹部の狭窄」に対するカテーテルのステント手術。
ステント術というのは、狭くなった血管をカテーテルによってバルーンで広げた後、針金状のものを入れて狭窄を防ぐ手術で、2日で退院できるしリスクもほとんどない、との説明でした。

くららが唯一移植以外に選択肢としてあったステント術。もちろん左冠動脈主幹部と肺静脈の狭窄は同様に考えることはできませんし、くららの場合、血管がまだまだ細かったこともありますが、術中死の可能性がかなり高いこと、仮に手術が成功しても術後管理が必要なため、長期にわたり病院で生活することになること(病院で人生を過ごすことになるとも言われ)、さらに
手術した部分に血栓ができやすく、その血栓が脳に飛ぶ脳梗塞のリスクがあること、以上のことからステントは進めない、と3つの病院で言われました。



もうひとつ、松下奈緒さん演じる患者さんの心房中隔欠損。
先天性心疾患の中でもメジャーなもので、生まれたときに心房や心室の中隔欠損があっても成長とともにふさがることもあるのですぐに手術をしないケースが多いと聞きます。

くららは心房・心室中隔欠損(単心室・単心房)を合併していました。

通常3歳ぐらいまでに穴がふさがらなければ手術するものだと思っていましたが、、成人期まで手術しないケースもあるのか、、とドラマで驚きました。


日本はまだ外科手術が多いようですが欧米では確かにカテーテルも行われると聞きますが、どちらにしても
手術自体はリスクの少ない手術と聞きます。(不整脈のアブレーションも一緒にやってしまうことはおそらくドラマの中だけのことと思います)


ドラマですから、患者さんの合併症の有無、患部以外の体調など色々な背景を細かに述べるわけにはいかないのでそこはサラッとみなくちゃいけないのですが、、、、どうしても思いが強くなります。

その思いとは裏腹に、今後の展開の中で日本の移植医療の遅れの実情や、移植以外に取るべき道がない患者さん・患児たち、その家族の思いがドラマという形で広く多くの方に少しでも伝わっていけば、という期待も大きく持っています。

2010年10月26日

寒さと心臓

今日天気予報を見てびっくり!北海道は雪だそうです。
雪を見ると、くららの病棟でのお友達、北海道から来ていたMちゃんを思い出します。


Mちゃん、今年はもう雪が降ったよ。びっくりだね。



明日は関東も12月並みの寒さとのこと。

寒さは心臓には大敵です。去年、くららもくららもお友達も寒くなるごとに病状が悪化してしまいました。

あんなに寒かった去年の冬ですが、10月末はまだ今年ほどは寒くありませんでした。

今年も厳しい寒さにならなければいいけれど。


Mちゃんもくららも、今は一年中穏やかな季節の中で元気に遊んでいることと思います。

良かったね!!お空から今日も見守っていてね。

2010年10月25日

10月18日のプロフェッショナル

1週間遅れですが、録画しておいたNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」を観ました。
http://urandemain.blogspot.com/2010/10/blog-post_17.html


今回は呼吸器外科医の伊達洋至先生。


肺の難病と闘う6歳の女の子 まゆちゃんへの治療として、移植-お母さんからの生体間移植-が行われました。




お母さんの肺の3分の1を切除してまゆちゃんへ移植しますが、病状の悪化により心臓が肥大しているまゆちゃんの肺のスペースはギリギリ、胸骨を閉じずに皮膚だけ一旦閉じて、その後移植後に病状が回復し心臓の肥大が回復していくのを待って胸骨を閉じたシーン、本当にホッとしました。


くららも手術では最初胸骨を閉じていなくて、むき出しになっている胸が何とも痛々しくて、術後会った瞬間涙と共に申し訳なさ、代われるものならという思いが湧いてきたことを思い出しました。



くららの急変を告げられた時、私の心臓をあげられたらいいのに、と口走った私に、主治医の先生は「お母さん、大人の心臓は子どもには入らないの。腎臓や肝臓みたいに部分的に切除してあげることが出来ないから。」と冷静におっしゃったことを思い出しました。



生体間移植はドナーにも大きな健康リスクが生じたり伴うこともあって、脳死移植が行われている他国ではかなりレアケースだと聞きます。


何はともあれ、まゆちゃんが元気に退院した姿、本当によかったと思いました。

成長

アトム、3歳4カ月になりました。

このごろボキャブラリーも増えてきて、成長を感じます。

先日夕食を食べながら、ふとくららの遺影を見て、「ママ、くららちゃんの鼻に入っているのはなあに?頭にのっているのは包帯なの?」と聞かれました。

酸素用のカニューレが頭にのっているようにみえたようです。

「あれはね、くららちゃんが具合が悪い時にくららちゃんを助けてくれるものなんだよ」
と説明しました。

このごろは、くららちゃん帰ってこないね、と言わなくなりました。

少しずつアトムのペースでわかることが増えて、受け入れることも増えているように思います。

時間が流れているんだなぁ、と改めて思いました。

2010年10月18日

医龍3

日ごろほとんどドラマは見ないのですが、この秋は心臓の手術や移植をテーマにしているということで、「医龍3」(木曜日22時-23時 日本テレビ系列)を観ようと思っています。

さっそくビデオに録画していた第一話を週末観ました。


心拍数や酸素飽和度のモニターのアラーム音にさえ懐かしさを覚えます。

ICUで、病棟で、あのアラームが聞こえたとき、くららは私のそばにいたから。


肺静脈が自己心膜で再生できるなんて、現実に可能なものなのかな?マンガの世界のこと??

いずれにしても超がつくほどリスクがあり難しい手術だと思います。


それでも、、
4本ある肺静脈のうち、2本が狭窄し1本が突然閉塞していたくらら。これらが移植せずとも再生できる手段があったのなら、と思わずにいられませんでした。

色々考えこむ内容が盛り込まれていましたが、次回も是非観ようと思います。

2010年10月17日

プロフェッショナル

「NHKのプロフェッショナル 仕事の流儀」が10月18日から再開するとのこと。

この番組は、多臓器移植の名医であり、美香子ちゃんの主治医でもあった加藤友朗先生の出演回をくららと一緒に観た思い出深い番組です。
(http://urandemain.blogspot.com/2010/02/blog-post_24.html)
サードオピニオンでお世話になった岡山大学の佐野先生の出演回もDVDでくららと一緒に観ました。

テーマ曲を聴くたびにくららを抱っこしてテレビ画面を眺めていた感覚がよみがえってきます。

一度春にお休みになりましたがこの秋から再開とのこと。

テーマ曲もまた同じだといいなぁ。


初回は呼吸器外科医の伊達洋至先生だそうです。
「難病で生命の危機に瀕(ひん)する6歳の少女への、世界でもまれな特殊な肺移植手術に完全密着」とのことですが、日本では臓器移植改正法施行後まだ小児の移植は行われていなかったようにも思いますが、番組を観て正しい知識と認識を得たいと思います。

2010年10月10日

天国郵便局より

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〜天国郵便局より〜
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おとうさん、おかあさんへ


おとうさん おかあさん 悲しい思いをさせてごめんなさい。

天国を出発する前、神様から

「お父さんたちと一緒にいる時間は短いですよ。
それでも行きますか?」

と聞かれたとき、本当にショックで、悩みました。


しかし、あなたたちが仲睦まじく結び合っている姿を見て、
地上に降りる決心をしました。

たとえあなたたちに悲しい思いをさせても、たとえ一緒にいる
時間は短くてもあなたたちの子どもに数えられたかったからです。


そして私の夢はかなえられました。
おかあさん、わたしは確かにあなたの胎から生まれましたよね?
おとうさん、わたしは確かにあなたの血を受け継いでいますよね?


わたしは永遠にあなたたちの子どもです。
そのことをわたしは誇りに思います。


いまわたしは、あなたたちと共に過ごした、短いけれども
楽しかった日々に思いを馴せ、わたしに続き、あなたたちの
家族になりたいという きょうだいたちに
あなたたちのことを自慢する日々です。


わたしは親戚のみんなといっしょに元気にしていますので、
もうこれ以上悲しまないでください。

そして心から、「わたしの選びは正しかった」と言わせてください。


泣きたくなったとき、空を見上げてみてください。
わたしたちの姿が見えますよね。


ゆっくり体調を整え、まだかなあ?と愚痴っている
きょうだいたちを迎えに来てください。

わたしは永遠にあなたたちの子どもです。
そのことを私は誇りに思っています。

つばきより
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誕生死したつばきちゃんという女の子からある日ご両親に届いた手紙。


悲嘆にくれるご両親に何かできることを、と産婦人科の鮫島先生(「私があなたを選びました」の著者)が書かれたもの、とのこと。



図書館で順番待ちしていた映画「うまれる」の書籍版(PHP研究所)、やっと順番が回ってきて読みました。
この「天国郵便局より」というお手紙は、本の中で紹介されていたものです。



『天国を出発する前、神様から 「お父さんたちと一緒にいる時間は短いですよ。
それでも行きますか?』

くららも神様に聞かれたのかな。一緒にいる時間が短いとわかっていても、それでもこの世に降り立とうと思い、私たちのところに来てくれて本当にありがとう。


くららに出会えなかったら一生気づかなかったこと、気づけなかったこと、4カ月と28日という短い人生でしたが、私が受けた影響はとてつもなく大きかったです。そして、くららのおかげで巡り合えた出会いもありました。わが子ながら感謝の気持ちでいっぱいです。


本当に我が家に来てくれてありがとう。




映画「うまれる」の公開がは11月6日に決まったそうです。
シネスイッチ銀座では毎週木曜日13:50の回に赤ちゃん同伴OKの「ママさんタイム」実施決定とのことです。

映画うまれるへのリンク

10月という月


アトムの保育園からの帰り道や通勤途中、今頃くららはどうしてるかな、と思うことも多いのですが、去年の今頃は、と思うこともあります。

10月は、去年やっと家族そろっての生活がスタートし10月末の定期外来まで病院に行く予定もなく穏やかに過ごした月でした。

家で家族全員が寝たり起きたり食事をしたりすること、当たり前だと思っていたことがこんなに幸せなことなのかと、今まで見過ごしてきた幸せを実感し、家族のきずなが深まった月でもありました。

11月に入ってカテーテル検査で入院してからはつらい思い出もたくさんあります。


10月という月だけは、どの日を思い出しても楽しい思い出がたくさんです。酸素チューブもなく母乳やミルクを飲むくらら、オムツ姿で戯れるアトムとくらら、家族みんなでのお風呂、どれもこれも本当に幸せな日々でした。

ワクチン・ラグ

元厚生労働省医系技官の村重直子さんが書かれた「さらば厚労省~それでもあなたは役人に生命を預けますか?」を読みました。

医系技官とは医師の資格を持つ厚労省の職員のことを言います。
多くは診療経験のない「ペーパードクター」(この本によると)とのことですが、村重さんは日本・米国の病院で実際に診療した経験を持つ医系技官としては異色の存在です。

昨年の新型インフルエンザの騒動を通して、なぜあれほど必要なタイミングで新型対応のワクチンが供給不足になったのか、ドラッグ・ラグやワクチン・ラグが起きるのかとてもよくわかりました。

厚労省に勤務し医系技官という職業に就いていた村重先生自らが「医系技官不要」を唱えるところにこの本の説得力があると思います。

くららが受けたかったHib ワクチン、今でも供給不足だと聞きます。費用についても、世界100カ国以上で公費接種なのに、日本は任意(有料)です。
Hibの名前を目にするたびに、くららが天国に行って数カ月経過してから
「くららさんのワクチン入手しました」とクリニックから電話があった日のことを思い出します。

この本によれば、日本のワクチン行政は20年間停滞していたそうです。
小児の移植医療だけでなく、ワクチンも。

考えさせられます。


厚労省、国がとっている医療への施策は優れている面・恵まれている面もあるはず。
停滞や負の面だけでなく、国民皆保険を始めとして、この国に生まれて、この国で医療を受けられて恵まれている、幸せなんだ、と思える面をも探っていきたいと思います。

2010年10月4日

体重 12kg

アトムの体重は今12kgです。

去年の9月29日、くららの退院の日、病院から頂いた今後の治療方針の説明資料には、
「グレン手術(フォンタン前の姑息術) 体重目安 7kgぐらい、
フォンタン手術  乳幼児期 体重目安12kgぐらい」と主治医の先生の手書きの文字が。

12kgっていうと3歳ぐらいですか?と聞いたら、うーん、心疾患の子はフォンタン終わるまでは体重もゆっくり増えるのでどうだろうね、就学前にはたぶん出来るかな、と先生が言っていたことを思い出します。

そうか、今のアトムぐらいでフォンタンができるようになってたんだなぁ。

2010年10月3日

ゆうとくん 移植手術

以前ご紹介したゆうとくん(http://urandemain.blogspot.com/2010/05/9.html)、9月27日に移植手術を終え経過も順調とのことです。
(ゆうとくんを救う会 http://www.yuto-save.jp/index.html)

ドナーの方のご冥福をお祈りするとともに、ゆうとくん今後の経過も順調に帰国する日、皆が待っています。


アメリカでは、小児の心臓移植は年間400件前後ともいわれ(大人は2000件前後)、
移植が必要な子供のうち、1歳未満では73.5%が先天性心疾患、1歳から10歳では52.4%が心筋症
とのこと。(一部(社)臓器移植ネットワークより抜粋・引用。http://www.jotnw.or.jp/community/d_transplant/vol14/14_02.html )



くららが生まれてから何度も言われていた「お母さん、アメリカに生まれてたら、くららちゃんは100%移植の対象です。」の言葉。なんで私日本国籍なんだろう、なんで日本でくららを産んでしまったんだろう、と自分を責めました。

経済や産業では世界トップクラスであり先進国といわれる日本に生まれて、欧米で選択できる医療が選択できない現実。


小児の移植医療が、日本においても選択肢の一つとなり、移植医療を取り巻く環境整備が滞ることなく進んでいくために、私にもできること、日々考えていきます。

くららがたくさん

夏休み、奄美に行ってきました。

9月末でも日中の気温は30度、でも湿気は無くて爽やかな暑さです。


初日の夜、空を見上げると見たこともないような綺麗な星空でした。

アトムが「ママ、雪が降ってるみたいだねー」と。

ほんとに空から星が降ってくるような綺麗な星空。


朝も昼も夜も、海があるおかげでいつも以上にくららとゆっくりお話出来ました。



海に向かって話しかけていると、海の向こうから浮き輪に乗ったくららが泳いできそうな錯覚があったり、髪の毛はあの日のままだけど、ピンクのビキニを着たくららが浜辺をヨチヨチ歩いてくる姿を思い浮かべたり。


いつも家に飾っているくららの写真をホテルの部屋にも飾りました。

「今ここにくららちゃんがいたらそれはそれは幸せなんだけど、でも、今も別の意味でなんかしあわせというか、なんかそんな気がする。」

パパが言いました。


うまく言葉では表現できないけれど、パパの言わんとすること、伝わりました。


いつもどんなときも、これから先もくららは私たちとずっと一緒にいます。反抗期もなく、優しくて親孝行な思い出が100%のくらら。


毎日家で話しているくららと、海で話すくららと、全部くららなのだけど、静かな海で話すくららとはゆっくりのんびり思う存分話せて格別な安らぎを感じます。

旅行に一緒に行ったけれど、帰宅しても、ただいまくらら。

中込空くん

中込空くんは7歳で拡張型心筋症を発症し、以来13年間入退院を繰り返してきたそうです。
今年6月には補助人工心臓を装着しましたが、補助人工心臓は長期装着すると感染症や脳梗塞のリスクがあり、心臓移植までの短期的な処置とされています。


空くんは19歳ですが身長が147cmと小柄なため、現在の日本ではドナーに巡り合う確率がとても低く、米国コロンビア大学病院での移植手術を目指して、現在募金活動を開始されたそうです。

自身の経験を活かして、人の役に立てる仕事に就きたいと臨床心理士になる夢をもつ空君。

応援しています。

補助人工心臓装着の渡航はとても大変だと聞いています。また装着期間も長くはつけられないものだとも聞いています。

空君。1日も早く渡航できますように。


臓器移植推進パレード

今日10月3日、銀座にて臓器移植推進パレードが行われました。
(なみさんのブログからパレードがあることを伺いました。なみさん いつも情報掲載有難うございます。)
http://ameblo.jp/sounami/entry-10653159770.html)

パレードの趣旨について、日本移植者協議会のサイトから下記に抜粋・引用します。
(http://www.jtr.ne.jp/katsudou/2010/101003.html)

~去る7月17日、漸く改正臓器移植法が施行されました。しかしこれは、我が国おいて臓器移植医療が一般医療と定着するための第一歩に過ぎません。先月のインターネットの世論調査によりますと、法改正について、おおよそその内容も含め知っている人が38%しかなく、未だに改正を知らない人が25%、その内容を知らない人が37%もいます。また既に意思表示をしている人は9%に過ぎません。書面による意思表示が必須でなくなりましたが、意思表示の重要さは、変わらないどころか、改正前より増しています。

臓器移植医療は提供者があって初めて成り立つ医療であり、一般の人たちの理解と協力が欠かせません。今まで以上に、一般の人たちに広く臓器移植について関心を呼び起こし、自分自身の問題として考えていただき、意思表示していただくよう普及啓発活動を行わなければなりません。そこで臓器移植に関わる団体が協力し、本年も臓器移植推進街頭パレードを東京銀座において実施します。~


パレードには参加できませんでしたが、参加された一部の方々と、パレード後お食事をする機会があり、アトムとともに参加しました。


一人でも多くの方に、日本の移植医療の現状を知っていただき、また意思表示カードは、万が一の時自分で自分の人生を決めるものであること、そしてまた、自分自身が臓器不全となった場合、移植を希望するかどうかの意思表示でもあることを知っていただけたらと思います。