2010年11月14日

映画「うまれる」

ずっと心待ちにしていた映画「うまれる」 観てきました。

映画のレビューコメントで「CGやアニメーションがうさんくさい、ドキュメンタリーなのにCG?」等辛口コメントも出ていたので、作品を応援してきた1ファンとしては、親心というか、そんな胡散臭かったらどうしよう、、と始まる前はドキドキしてしまいました。


確かに、冒頭のCGは神秘的すぎて正直違和感を感じなくもなかったですが、本編が始まってからは4つの家族の苦悩、葛藤、愛に、心から涙し、また感動しました。

誕生死でお子さんを亡くしたご夫婦が、どうしてうちなんだろうと思った気持。
他の人に起きていいことではもちろんないのだけど、すごい確率でどうして私の子が?という思いは、私も同じように思ったことがありました。

母親が自分を責める気持ち、あの時ああしていれば違った結果になったのでは、という後悔等あまりに共感しすぎて嗚咽が漏れそうになってしまいました。

先天性疾患を持つとらちゃんのご両親の言葉にも共感する部分がたくさんありました。

いつ心臓が止まってもおかしくない疾患を持ちつつ在宅を始めたとらちゃん。同じ病気の子の8割は1歳を迎えずに天国に行くといわれているそうです。

毎日、とらちゃんが悪くなっていくのを待つような状況になってしまった時期があり、それが本当に嫌だったと。今はこの子は青春真っ盛りで、持って生まれた役目を果たしたらまた戻っていくんです、ということが最近ようやくわかった、とご両親。

私も、くららの余命宣告後、外来のたびに、くららの命は今何合目?いつまで一緒にいられるんでしょうか?と主治医の先生に尋ねたことがありました。


離れるのが怖くて、少しでも心の準備をしておけないか、そんな今思えば馬鹿げたことを思っての質問でした。どんな情報を得ても、心の準備なんて出来るわけもなく、娘を手放すことがつらくなかったり怖くなかったりするわけがないことを身をもって知った今、もっともっとくららが生きているその瞬間瞬間を、精一杯楽しんで笑顔で過ごしてあげればよかった、と思います。


不妊治療を9年間続けた末断念されたご夫婦のつらさ、葛藤もまた涙しました。
これだけ医療が発達しても子供を持てない、女性として産めないつらさをとても冷静に語りながら、インタビューのふとした瞬間、その方が流された涙。
一瞬流した涙に「あ、ごめんなさい」とその方は冷静に謝るのですが、その方の冷静さを保ちつつ内面に抱える大きな苦悩やつらさがスクリーンを通して伝わってきました。


約2時間、観終わった後目が腫れて、帰宅後は心が浄化され、泣きすぎて消耗したこともあり、久しぶりに夜中目覚めることなく、朝までぐっすり眠りました。

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