2010年4月12日

くららの病気

くららの病気のことについて、復習の意味で振り返ってみます。

当時のメモを見ながら振り返る作業はとてもつらいことですが、それ以上に忘れてしまうこと、記憶が薄れていくことが怖いので。


理解が誤っている可能性もありますので、お気づきの点があれば教えていただければ幸いです。

■無脾症候群について

正式な医学名は内臓錯位、内臓逆位という。
人間の内臓は本来左右非対称に作られますが、何らかの原因により右対象になっている場合は無脾症、左対象の場合は多脾症となる。


内臓が左右対称となるため、当然心臓も左右対称となることから心臓の合併症を伴う。
また、無脾の場合は脾臓がつかさどる免疫機能を持たないため感染症などが重症化しやすい。
※大人になると、脾臓が持つ免疫機能は肝臓・血液その他でカバー出来るようになるので脾臓が無いこと自体はさほど大きな問題にはならない、と聞きました。

乳幼児の間は、様々な病気に感染すると重症化しやすいため、あらゆる予防接種を受けること、健康な赤ちゃんなら風邪程度で済むRSウィルスに感染すると非常に重症化するため、毎月1回シナジスという予防接種を受けていました。実費の場合1回¥16万程度、と言われ、保険が適用されてかなりホッとした記憶があります。



■心臓疾患

★単心室・単心房
くららと同じように、心臓の部屋(心室・心房)が分かれておらず、一つの部屋になっている状態を単心室・単心房という。
通常、全身から戻ってくる汚れた血液を右室から肺へ送り、新たに作られるきれいな血液が「左室」から全身へ送られるが、単心室・単心房の場合は部屋が分かれていないために、汚れた血液と新しい血液が混ざり合い、チアノーゼ(血中酸素濃度(SPO2)が低いために皮膚や爪が紫色になること)になる。

くららの生後間もないSPO2の値は60前後、健康な人(赤ちゃんでも成人でも)は一般的に100前後。


★肺静脈還流異常
無脾の子は、肺静脈や肺動脈の疾患を合併する場合が多い。

4本ある肺静脈がすべて本来つながる左心房ではなく別の場所につながっていることをいう。

くららの場合は、肺静脈還流異常(Ⅲ型)で右心房や肝臓につながっていた。

肺静脈を左心房につなぎなおす手術が必要になるため、くららは生まれて3日目に心臓を止めて、この肺静脈をつなぎなおす手術(肺静脈還流異常修復手術)を行った。

この手術後SPO2は75前後に上昇。

★心臓機能修復のプロセス

一般的に、以下の2~3回の心臓機能修復手術を受けるとSPO2が99程度になり、チアノーゼも無くなる。

くららもグレン、フォンタンを終えれば保育園や小学校にも普通に通えるようになります、といわれていた。

1)BTシャント手術

2)グレン手術

3)フォンタン手術


1)BTシャント 新生児~乳児期 体重目安 4-5kgぐらい

新生児期に行う場合もある、人工血管を使って肺血流を確保する手術。
この手術をすることで肺血管の成長を促す。(次の手術の要件を満たせるようにするため)

くららはこの手術は必要ないとのことで受けていません。

2)両方向性グレン手術 乳幼児期 体重目安 7~10kgぐらい

上大静脈と肺動脈をつなぐ手術で次のフォンタン手術のための姑息術。
この手術を終えると、体と肺両方に血液を送り出していた心臓の負担が減るため、SPO2も酸素吸入無しで80程度に回復する。

3.フォンタン手術  乳幼児期 体重目安12kgぐらい 

下大静脈を肺動脈をつなぎ、下半身の血流を肺動脈に流す手術。この手術が最終手術となり、術後はSPO2は99程度に回復し、チアノーゼも無くなる。

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