2010年3月11日

ジョンQ、美紗都ちゃんを救う会

ドイツへの渡航移植を目指す美紗都ちゃん、応援しています。
http://misato-chan.net/pc/aisatsu.html

お伺いしたいことがあって、救う会の事務局の方とお話しする機会がありました。

重篤な娘にずっと付き添いたい気持ちを抱きつつお仕事や募金活動をするお父さん、
お父さんと一緒に毎日救う会事務局に訪れる妹思いのお姉ちゃん、
渡航の日に希望を持って一生懸命頑張っている美紗都ちゃん、

そして何より、私の立場では、美紗都ちゃんが心配でたまらないであろうお空から見ているお母さんの思い、胸に迫りくるものがあります。
私に出来ることは限られていますが、1日も早く渡航しドナーとめぐり合えて移植できることを応援しています。

目の前に助かる命がある。

次に渡航移植を目指す子に役立てることが、くららちゃんが一番喜ぶ形だと思う。

パパの会社の方等からくらら宛に頂いたお心遣いについて、パパからそう話がありました。

これまで小児移植・医療の現状を知ろうとしたり、渡航移植を目指す子ども達を応援するスタンスでは、夫婦の間で少し考え方が異なっていました。
良い・悪いとか、賛成・反対ではなくて、夫婦とはいえ、それぞれ個人ですからそれぞれの考え方があります。

今回、渡航移植を目指す子ども達を応援したい気持ちや実際の行動が、夫婦の間でピタッと一致したことは、単純に嬉しいことでした。

パパとママにたくさん絆を深めて欲しい、くららがそう願ってお空から何かしてくれたのかもしれません。

そして、映画「ジョンQ」

デンゼル・ワシントン主演の映画です。
映画ですからフィクションであること、また2002年の作品ですから最新の状況とは異なる点があるであろう事は大前提ですが、他国での小児移植の現状を少しでも理解したくて手に取りました。

結論からいうと、心臓病になってしまった子ども、マイクがくららと重なって、心不全をおこしつつある病状をつらい思いでみてしまったり、病院から最初に病状説明を受けたデンゼル・ワシントンが

「もう少しわかる言葉で説明してください」

という姿が以前のパパと私に重なったり、ストーリーを追うよりも主観的に観てしまいました。


概要を簡単に。

最愛の一人息子がある日突然、倒れ、病院に連れて行くと、心臓が肥大し移植をしなければ、余命いくばくも無い、と宣告されます。
病院の経営者は、ジョンQの収入や医療保険の種類(HMO)から移植費用(¥約2500万)は払えないため、移植ではなく看取ることを薦めます。移植希望者リストに載せるだけでも保証金(¥約300万)が必要といわれ、車やテレビ、あらゆる家財道具を売り払い一生かけても払うから移植を、と請うジョンQですが、病院側は一方的に、治療のすべはない、と重篤な息子を退院させようとします。

移植を受ければ助かる命、息子の命を救うために自分が出来ること、、、
ジョンQは人質を取って病院にたてこもり、息子を移植者リストに載せるよう要求しますが・・・



アメリカに生まれていれば、一もニもなくくららは移植を受けられていた、そう思っていました。
でも、日本のように国民皆保険制度の無いアメリカでは、入っている保険の種類によって、移植のような高度医療を受けられない、移植希望登録すら出来ないこともあること、今まで知りませんでした。

日本は国民皆保険が整っていますが、例えば移植時に臓器を運ぶ交通費(チャーター機)や、移植後に長期間服用する高額な免疫抑制剤費用等も個人に負担が重くのしかからないようになっているのでしょうか、
ちょっと心配になってきました。

経済格差が子どもの学力格差も生む、そんな問題提起の記事を最近よく目にしますが、教育だけでなく医療も親の経済力に左右されること無く、すべての子どもが平等に与えられてしかるべきもの、と思います。

会社の業績や自身のキャリア、生活のためだけでなく、すべての子ども達が必要とする医療を受けられ、未来に命がつながるように、自分は働いて税金や保険費用を納めるんだ、そう思うと、明日から今までとは少し違った気持ちで仕事へ取り組めそうです。




今まで本当に何も知らなかったんだなぁ。改めて思いました。

くららをきっかけに、自分の中で知ることが増えていくこと、くららへの感謝と共に喜びを感じます。

4 件のコメント:

  1. 日本の小児の医療や福祉は、国ベースの物と、地方自治体に任されているものがあるようです。
    住んでいる地域によって多少の格差はありますが、基本的に小児で慢性特定疾患や障害者手帳などの制度に適応される疾患であれば、多額な医療費の請求にはならないはずです。

    私も詳しく調べていないので確認が必要ですが、地方自治体(主に区役所など)は、対象者以外に詳細を伝えたがらない担当者が多いように感じます。

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  2. なみさん コメント有難うございます。

    確かに!自治体ベースと国ベースに分かれていることに気がつきました。身近なところでは乳幼児医療証、所得制限無く一定の年齢まで医療証を交付する自治体があれば、所得制限により1歳で交付が終了となる自治体もありました。

    また特別児童扶養手当(特児)など病気の子どもを持つ家庭が必要な手当については、自治体によって交付したがらない、という話は耳にします。くららはまだ0歳だから、ということで、特児も障害者手帳も交付されませんでした。

    年齢によって交付が出来ないのであれば、公に「0歳は交付しません」というように謳って欲しいと思いますが、そのあたりの説明が窓口の担当者によって異なったりして、残念な思いをした記憶があります。

    病気や障害を持つ親は度々窓口に行くのも難しいですから、規程や交付条件などは出来るだけ明確に明文化してほしいと思いました。

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  3. 安藤貴樹です。
    ここまで書いていいかどうか、迷いましたが、ウランママさんなら、冷静に受け止めていただけると判断して書きます。
    経済格差が医療格差に繋がる繋がらないという話ですが、人類に経済というものがある以上、格差は無くなりません。ただ、ママさんの言う通り、医療に格差があってはならないことだと僕も思います。こと、自力ではどうすることもできない幼児や子供にとっては、絶対に有ってはならないことが前提です。
    江口洋介さん主演の「闇の子供たち」という映画はご覧になりましたか?さらわれた幼児が臓器売買の道具に使われるという痛ましい話です。これは実話で、今、この瞬間にも地球上のどこかで行われています。公明正大に正義を声高にする米国とて、移植の順番はある方法を使えばスキップできます。この映画が、どうして経済格差が医療格差と結び付くのかという理由を地球レベルで物語っています。
    正しいか正しくないかと問われれば、無論、正しくありません。しかし、我が子の命のためなら「ジョンQ」のように不正も選ぶでしょう。
    厚労省の改正を待っていたら100年経っても前に進みません。こと、医療に関しては情報力とコネクションの力だと、この仕事を通して思い知らされました。そして、それを支えるのが、経済力だというのが、現実です。

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  4. くららママ2011年8月9日 23:57

    安藤さん
    コメント有難うございます。確かに、医療格差はあってはならないことですが、経済格差は人の命や健康の格差を生むのだな、と最近改めて思うことがあります。例えば原発の問題で、奥さんとお子さんだけ海外に引越をされた方がいました。自力ではどうすることもできない幼児や子供たちは親の経済力やコネクション、価値観、取り巻く環境に生き方、命、健康を委ねているのだとつくづく思います。

    自分の子どもだけでなく、未来からの預かり物であるすべての子どもたちにたいして、改めて私たち大人の責任は重大であることを感じます。

    「闇の子供たち」さっそくレンタル手配しました。週末に是非観てみようと思います。情報有難うございます。

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